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カバンの製図 1/2
簡単なカバンの型紙を作ります。1/2では実際の製図のしかたを学びます。
2/2では製図した型紙を変更する方法を学びます。
写真のような肩掛けカバン。型紙を作るほどのものではありませんが、練習なので単純なものを作りましょう。
Youtube版もあります。
構想
布の構成は下の図のようになります。
左から、表布、側布、裏布と呼ぶことにします。
変更する寸法を決めます。いろいろなサイズを作る場合もありますし、作図してからいろいろ変更してみて
最終的な寸法を後から決めるという方法もあります。
今回は、幅、高さ、厚み、縫い代を変更できるようにします。
また、正面から見て正方形だけでなく、台形にも変更できるようにします。
製図の手順
前回は原型を使いましたが、今回は原型がないので
1.変更に使う数値の準備
2.各型紙の製図
の順で製図をします。
ファイルの作成
洋裁CADを起動して「カバン」ホルダ以下に新規ファイルを作ります。
※洋裁CADの型紙ファイルは必ず洋裁ホルダの下に子ホルダをつくり、その中に保存します。
数値の準備
数値要素を4つ定義します。
幅320、高さ250、厚み50、縫い代10で定義しました。A4ファイルが入る大きさです。
洋裁CADでは寸法はすべてmmです。
下の動画を参考に同じ作業をしてみてください。
表布の作図
下の図のように作図します。
順に要素を説明します。
0は表布の起点としての点です。
1は上の横線、2、3は縦線。4は下の横線です。
5は6のコメントを置くための点。
6はPDFファイルに「表布」と表示するためのコメントです。コメントを定義する際に点と文字の大きさを入力すると、コメントを画面上に表示させることができます。
表布はグループ要素で、表布を構成する要素をひとまとめにしています。リストをまとめて見やすくする、色を一括で設定する、印刷番号を一括して設定する役割をしています。
要素名はデフォルトで数値になりますが、わかり易い名前に変えることもできます。同じ名前は付けられません。
下の動画を参考に同じ作業をしてみてください。
側布の作図
側布も表布とほぼ同様に作ります。
違うところは、要素9です。表布の直線要素2,3,4の長さを合計する計算をしています。
この長さを側布の長さとして利用しています。
また、9では要素、幅、高さの値を使わずに、直線の長さを使っています。どちらかを使っても結果は一緒ですが、直線の長さを使っておく方が後でトラブルになりにくいです。
理由はこの後説明します。
裏布の作図
裏布も今の形状では長方形になります...が、デザイン変更で台形になることもありうるので、かならず長方形になるとは限りません。
裏布は表布の形状をコピーして作図することにしましょう。
表布をコピーし、さらに対称コピーしました。コピーなので、コピー元の線が変わればコピーも自動的に変わります。
縫い代の挿入
さて、ここで何か忘れていますね。縫い代がありません。追加しましょう。
原則として、一つの型紙は1つのグループに入れておきます。ですので、要素を一番下に付け加えるのではなく、遡って各グループ内に挿入します。
順序は、グループを展開する→未定義要素をグループ内に順序変更→オフセット線を定義、です。
オフセットの方向が反対の場合は、方向の左右を逆にします。オフセット線の先端と終端を合わせるには、閉じるを「はい」にします。
「縫い代要素」がありますが、ここでは単純な形状なので「オフセット要素」を使っています。
※裏布に縫い代を付けるとエラーで消えてしまう場合があります。これは平行線同士の交点が見つからない場合があるためです。エラーが出てしまった場合は、
閉じるを「いいえ」にセットしてエラーを回避してください。
カバン型紙の完成
これでカバン型紙が完成しました。
次の練習では作った型紙をいろいろ変更してみます。
最終更新日: 2021-07-27 14:23:49
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