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ワンピースの製図方法詳細

前の学習でワンピースの型紙の作り方の概略を見ましたが、今回の学習ではこれを詳しく見ていきます。
細かいところは解説せず、要素関係の組み立て方のコツを重点的に解説します。

外部グループ参照要素の定義

人体寸法と、原型型紙を読み込みます。
外部参照要素に限って要素名の変更は再定義ではできません。最初の定義の時に名前もつけましょう。
原型型紙は、文化式ではバストウエスト背丈の三つの数値を用いて形状を決めます。(他の原型でも数値を基に製図しますが、どの寸法を用いるかは製図方式によって変わります)
原型型紙のバストウエスト背丈要素を再定義して人体寸法の数値に入れ替えてください。
これで原型型紙が人体寸法に記述されているサイズに変わります。
外部グループ参照要素の定義


制御パラメーターの定義

複数の身頃で使う数値や後で調整したい数字はまとめて最初に定義しておくと良いでしょう。よく使う数値は、人体寸法と同じように独立したファイルにして読み込むと手間が省けます。
制御パラメーターの定義


原型の展開

手書き製図と同じように、ダーツの位置を変えたりして製図する服に合わせます。
原型型紙をそのまま使う場合はこの作業は不要です。
ダーツを閉じるときは、線や点に回転移動をかけて閉じます。回転するには角度が必要ですが、角度は数値要素を使って計算します。
原型の展開

直接数値を入れると人体サイズが変わって原型が変わった時におかしな形状になってしまいます。
原型の展開


身頃の製図

原型を元に服の身頃を描きます。
原型型紙は言い換えると、着る人にピッタリな服になります。
そのままではぴったりすぎて動けないので、原型からゆとりを取って服の型紙を描きます。
基本的に穴である袖やえりは原型よりも大きく開け、バストやウエストの周りは広くします。どのくらい広げるかによって体にフィットした服になったりゆったりした服になります。

点の打ち方

線を描く前に起点となる点を打ちます。点の打ち方は、原型の線や点を起点にして定義するのがコツです。
袖ぐり襟ぐりの起点となる点は、図のように線上分点を用いると良いでしょう。
点の打ち方

ゆとり量は、先に数値要素で定義しておきます。こうしておくと前後身頃の袖ぐり位置が連動して動きます。
前身頃と後身頃は縫い合わせるので、連動させないと段違いになってしまいます。

脇の下の部分の点は少し複雑になります。袖ぐりのゆとりとバスト周りあたりのゆとりを個別に取れるようにすると良いでしょう。
点の打ち方


袖ぐり線と襟ぐり線

点と点を繋いで原型よりも大きめに曲線を作ればいいのですが、前後の身頃を縫い合わせるのでスムーズに曲線が繋がるように角度を設定します。
襟ぐり線

原型の襟ぐり袖ぐりはスムーズに繋がるような角度で書いているので、この角度をそのまま流用すればスムーズに繋がります。
襟ぐり線

この角度を変更したい場合は制御パラメーターに新たに数値要素を加え、その数値を使って角度を設定します。
襟ぐり角度

袖ぐりは長いので両端の10に加え真ん中あたりにもう一つの点を定義してつなぐと綺麗に描けます。

裾線

裾丈もパラメーターとして設定しておけば後から裾の長さを調整できます。

袖ぐり襟ぐりと同じように前後身頃の縫い合わせ部分で角が出来ないように角度を調整します。
作例では前身頃は二本の線の交点を求めて、それを中心点として円弧を描き、裾線にしています。
裾線

後ろ身頃は、前身頃の直線99と同じ長さの直線115を描き、その後交点と円弧を描いています。
裾線

フィッシュテールのような前と後ろで裾の高さが違う場合は、先ほどの襟ぐりのように角度を設定して直線を引くと良いでしょう。



袖の取り付け

袖や襟など同様の形状を他の服でも使う場合は、単品で描いておき、呼び出して使うようにすると効率的になります。色々な袖や襟を作ってライブラリーを作っておき、そこから選ぶようにすると良いでしょう。
袖を呼び出したら、パラメーターを上書きして、今作っている服の形状に合わせます。
上書きされた要素は現在書いている服のファイルに保存されるため袖には影響がありません。
袖の要素は毎回袖のファイルから呼び出されます。ですので、袖のファイルを変更すると、そのファイルを使っているすべての服の袖が変更されます。この点を注意しておきましょう。


襟の取り付け

縁もそれと同じように単品で作っておき呼び出すと良いでしょう。
襟の場合は襟ぐりのせんが必要になる場合があります。この場合は呼び出す前に襟ぐり線を作っておきます。


最終更新日: 2021-05-17 21:56:32

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