縫い代角の製図方法と考察
洋裁CADに縫い代機能を新たに加える作業をしました。今まではオフセット機能を使っていたのですが、これだと角の処理が1種類しかありません。
下に示す三つの角処理方法を加えることにしたのでこの処理方法について検討してみました。
1 オフセット
2 直角
3 対称
4 ダーツ山
1 二つのオフセットを延長してそのまま角にする
普通の切り方です。相手の身頃と縫い合わせる時は、縫い代の幅分奥へ移動した位置で布同士の交点を合わせることで目印とします。
洋裁CAD今まではこの角しかなかったのですが、個人的には不足を感じていませんでした。
この方法の不便な点は、角が鋭角になった場合に縫い代が長く伸びてしまうことです。
2 角を直角に切り落とす縫い代
下記手順で製図します

1縫い代線1と外形線0の延長線の交点aをとる
2縫い代線1をaでまで延長短縮する
3点aから縫い代線0に直角な直線Lを描画する
4縫い代線を延長して直線Lとエッジを作る
こうして切り落とすと、縫い合わせる相手の見頃と直角に切り落とした部分を一致させることで、縫い始め位置を決定することができます
3 角に対称な線を加える場合
半袖の袖口の角などに適用する角の処理方法です。普通のオフセットだと折り返した部分が内側に入ってしまうので、
ミシンをかけた時に内側に入った部分がミシンの縫い合わせ範囲に入らずにヒラヒラしてしまいます。
対称にカットしてあればこの不具合を回避することができます。
角を縫い合わせの目印として使えるのか
身頃同士を縫い合わせる場合、縫い代の端を目印とすることで本当によいのでしょうか?
疑問に感じたので確認してみました。
結論から言うと、条件が揃わないと目印としては使えません。
条件のひとつは見合わせる身頃のペアの角の合計が180°である場合

もう一つはペアの角度が同一である場合になります。

これ以外の場合は厳密にはずれてしまいます。
下の動画は直角に落とした場合に、角度をずらした例です。
プリンセスラインの見頃の縫い合わせを想定しています。
合計角度が180°ではない場合、縫い合わせる長さが身頃ペアで異なってしまいます
180°でない場合は袖ぐりに凸凹が付いてしまうので180°になるよう製図するのが当たり前といえば当たり前なのですが、そうでない場合は縫い合わせに長さが異なってしまうことは頭に入れておいた方が良さそうです。
角処理がオフセット、対称の場合でも全く同じことがいえます。
この不具合を解消するには、角の製図方法を変更し、緑の線の長さを一定にすれば良さそうです。

試みに製図してみました。長さが変わらないので、縫い代長さの不一致は解消されます。しかし、今度は袖ぐり線に段差がついてしまいました。
結局不具合は解消できませんでした。
ダーツの縫い代
ダーツ部分はダーツ中心線を折山にしてミシンをかけます。
山の形状は、ダーツを折り返した時に、倒した方の縫い代線と一致するように書きます。

1 縫い代線0を折り畳み線まで延長短縮する
2 縫い代線0を折り畳み線を対称軸にして対称コピーする
3 対称コピーした線をダーツ中心線まで短縮する
4 縫い代線1をダーツ1線まで延長短縮する
5 空いた縫い代線を繋ぐ
これが本来正しい描きかただと思うのですが、実際に製図してみると山が低くて、山と前後の縫い代線の角が形成されず、どこがダーツのなのかわからなくなるケースが多いようです。
そこでダーツ山の製図は、山の高さを状況に応じて設定できるようにしました。
この場合ダーツを折って倒すと、縫い代から山の部分が飛び出してしまうのが欠点ですが、この図法で実装することにしました。
最終更新日: 2020-05-05 11:04:01