部品ライブラリーの考え方と作り方
洋裁CADは部品ライブラリを利用して製図すると効率的に服のパターンを作ることができます。
このページでは部品ライブラリーの考え方と具体的な作り方、利用方法について説明しています。
Youtube動画版もあります。こっちの方がわかり易いかも。
部品ライブラリーの考え方
袖や襟ポケットなど、よく使う部分の型紙は単独で製図しておき、必要に応じて呼び出して服の中に組み込むようにすると効率的に作業できます。
単純に読み込んで置いただけでは製図中の服と合わないので使い物になりません。
洋裁CADではパラメーターを変更してパターンの形状を変えることができるので、この機能を利用して一致させます。
袖や襟以外にも原型型紙や人体の寸法データをライブラリ化することもできます。
寸法データや原型型紙は差し替えが可能です。
Aさんの人体寸法を入力したファイルで服を整理した後、Bさんの寸法ファイルに差し替えると、服はBにピッタリしたサイズに変更されます。
女性用の原型型紙で整理した後男性用の原型型紙に差し替えると、女性体型の服から男性体型の服に変えることができます。
袖は長袖と半袖を差し替えたりフォーマルとカジュアルを差し替えることが可能です。
部品ファイルの作り方
袖や襟などを単品で整理します。線を引き始める前に、製図に必要なパラメーター(数値要素)を定義します。
袖であれば袖山の高さ、前後袖山の長さ、袖丈、袖口の長さなどです。基準点も定義しておきます。
必要であれば仮の袖ぐり線も描いておきます。
これらのパラメーターを変更することで、矛盾なく変形するパターンを製図します。
うまくできればパラメーターの変化に応じて正しく形状が変わります。
部品を差し替えられるように、パラメーターとして使う数値要素の名称はどの部品でも同じように設定します。
作った部品ファイルは種類ごとに同じフォルダーに入れて分かりやすいファイル名を付けると良いでしょう。
部品ファイルは服のファイルを読み込む事に呼び出されるので、ファイル名を変えてしまったりフォルダを移動してしまったりすると読めなくなります。一度決めたら変えないようにします。
部品ファイルの読み込み方
部品ファイルには製図前に読み込むタイプと製図後に読み込むタイプがあります。
前に読み込むのは人体寸法ファイルや原型型紙ファイルになります。
読み込んだ原型型紙をもとに見頃の製造した後、後から読み込むタイプの部品ファイルを追加します。
袖や襟は見頃のパターンがないと読み込む時に支障が出てしまいます。
部品ファイルを読み込んだら、パラメーターに使っている数値要素を上書きします。
原型型紙ファイルであればバストウエスト背丈のパラメーターを人体寸法ファイルの同じパラメーターで上書きしてあげます。
こうすると人体寸法ファイルのパラメータを変更するだけで原型型紙の形状が変わるようになります。
袖の場合は、身頃の袖ぐり線の長さで袖山線の長さを上書きします。袖丈は人体寸法ファイルの中に入っているものを上書きします。
最終的には人体寸法をファイルのパラメーターを変更することで型紙全体の形状が変わるようにしてあげます。
部品ファイルの差し替え
外部グループファイルの再定義で読み込みファイルを変えれば差し替えができます。
差し替え時に同じ要素があれば上書き要素が同様に上書きされます。
パラメーターの要素名が異なっているとエラーになったり上書きされなかったりするので注意が必要です。
原型型紙のような先に読み込むタイプの部品ファイルは線や点などの要素を後から参照されます。
これらの線や点要素も同じ名前にしておかないとエラーが出てしまうので気をつける必要があります。
最終更新日: 2021-06-22 05:27:12