洋裁CAD >洋裁CADの使いかた >メンズシャツの製図その1


メンズシャツの製図方法

洋裁CADを使って男性物のカジュアルシャツを製図しながら、洋裁CADの使い方を解説してゆきます。
練習1〜6を済ませている前提で書いています。
細かい説明はしていないので、理解できなければ以前の練習に当たってみましょう。
教科書は、文化服装学院の「メンズウェアT」です。男性用原型の他、各種シャツやパンツの製図方法が載っています。

この中から、64ページカジュアルシャツを製図します。
製図手順はほぼ教科書通りですが、曲線の得意な洋裁CADなので、衿の辺りは少し変えて製図してみます。

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ファイルの作成と原型の準備

エクスプローラーを開いて洋裁フォルダの下に「シャツ」というフォルダを新規作成し、そこへ作っておいた文化式成人男子の原型ファイル(kts形式)をコピペします。
洋裁CADを開いてシャツのフォルダに新規ファイルを作成し、原型を読み込みます。
原型


原型の操作

後身頃の肩ダーツを脇へ移動させます。
まずはダーツ部分の回転させる角度を算出します。
原型

水平に線をひき、袖ぐり線との交点を取り、その交点で袖ぐりを分割します。
原型

回転移動。
原型

グループ化したら、原型操作はこれで完了。
原型


操作する数値の設定

教科書では裾の高さが固定ですが、操作できるようにしておきます。
前裾長さ(27)を要素10に270として入れ、要素11に脇裾長さ要素10-70、要素12に後裾長さ要素10+70 とそれぞれ格納します。
首回り、手のひら回り、袖丈は原型にあらかじめ入力されているので、そのまま使用します。
原型


後身頃の製図

教科書に従い、後身頃(と後ろのヨーク)を先に製図します。

衿ぐりの製図

背中中心線をひき、そこから、首回り÷5−5mmオフセットした線と原型肩線との交点を起点にして襟ぐりをひきます。
点位置はあまり変わりませんね...
描画後、補助的に使った線を非表示にしておきます。
後身頃

後身頃

ヨーク部分の製図

ヨーク部の袖ぐりは原型の袖ぐりを25mmオフセット。肩線と水平線ひいてそれぞれエッジ処理してヨーク部完成。
とりあえずグループ化しておきます。
後身頃

ダーツ部分の製図

ヨークにつながるダーツ部分。背中中心から105の位置に起点をとります。
開く量は、原型ダーツの2/5。点間分点でこの位置に通過点をとります。
後身頃

点点距離と点点角度を設定しその数値で直線をひきます。
30mmのタックの印を書きます。洋裁CADにはまだ記号は用意されていないので、コメントで書いておきます。
後身頃

袖ぐり下の製図

原型の袖ぐりの下端から横へ20mm、下へ50mmの位置に点置きます。これが袖ぐりの下端点になります。
袖ぐり線のひきはじめの角度を作ります。
後身頃

ダーツの端から下端点へ曲線をひきます。
袖ぐりの下端角度(-40°)は大体で入れました。
後身頃

裾とその他の製図

大分飛ぶけど、裾と周りの直線を描いて後身頃完成。
教科書には裾曲線の細かい指示が載っているけど...まあいいでしょう。見えないところだし。
後身頃


前身頃の製図

次は前身頃。まずは襟ぐりのところ。ここは教科書に依らず、洋裁CADの特性を生かして不定値-繰り返しを用いて製図します。

衿ぐりの製図

まずは襟ぐりの開始点を作ります。前中心線から後身頃の時と同じだけオフセットして線をひき、肩線との交点をとります。
前身頃

衿ぐり線の長さを設定します。これが繰り返し要素の目標値になります。
要素1-K3は原型ファイルに納められた首回りの長さ、要素18は後衿ぐり長さです。
前身頃

要素65を不定値とし、襟ぐりの終点を原型の終点から不定値だけ下がった位置に置きます。
前身頃

衿ぐり線を描画。
前身頃

繰り返し要素を定義。これで衿ぐり線の長さが要素62と同一に調整されます。
前身頃

調整後の衿ぐり線。
下に下がるかと思ってましたが、上に上がってきました。
前身頃

肩線の製図

始点は衿ぐりの始点、長さは後身頃の肩線から、角度は原型から、それぞれもらってきます。
前身頃

袖ぐり線の製図

後身頃同様に横へ20オフセット下へ50オフセットした点作って袖ぐりの終点にします。
袖ぐり曲線は後身頃ほど煩瑣なことはなく引けました。
教科書に載っている曲線の葉少し違うのだけど...まあ良しとしようか。
前身頃

いや、やっぱりと思い、3次ベジェ曲線で調整してみました。教科書の曲線はこっちの方が近い感じ。
ただ、案内直線に単なる数値を入れているだけなので、原型を違うサイズに差し替えると変な形になりかねない。
そこで、袖ぐりの始終点間の距離と関連して直線の長さが変わるようにしてみました。
前身頃

脇線の製図

脇線の長さは後身頃の脇線長さと同一になります。脇線の下端を後身頃の下端にそろえると、ちょっとずれます。
ずれるといっても誤差範囲だと思いますが、ここも不定値-繰り返し要素を用いて長さを合わせました。
前身頃

その他の線の製図

その他の直線をひいて大体完成。
前身頃

ヨーク部分の分離

ヨークになる部分を分離します。
教科書通りに、肩線を30mmオフセット。
オフセット線と衿、袖曲線の交点をとり、この点までオフセット線を延長短縮して線の端を曲線に揃えます。
衿、袖曲線を交点で分離してヨーク部の分離が完了。
前身頃

これで前身頃が完成。
前身頃


ヨークの移動

ヨークが前後で泣き別れになってしまっているので合体させます。
前身頃の中にも入ってしまっているので、全ての線をコピーして新たなグループに入れ、コピー元は非表示にしましょう。
前身頃

前身頃側のヨークの回転角度は、とてもわかりにくいのですが、下の図のようにしています。
前身頃


縫い代の追加

これで前後の身頃とヨークが出来ました。最後に縫い代と型紙名を示すコメントを各グループ内に入れておきましょう。
前身頃

残念ながらオフセットで数か所エラーが出てしまいましたが、これで身頃完成です。
前身頃

最終更新日: 2015-02-26 16:33:09

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Author: Tomoyuki Ito

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