洋裁CAD開発日記 画像の座標変換
画像の座標変換の仕組み
テキスタイルプリント機能の中の一つに画像の変形があります。
これは、身頃の間やダーツの間で図柄が途切れずに繋がるようにするためのものです。
下の例は世界地図を変形させて、キャスケットにしています。
変形させるためには、まず、パターンと、変形後の形状を作ります。
変形後の形状に画像をのせて、変形を元に戻しパターンの形状に変えます。このとき同時に画像をも変形させることで、目的の画像を得ることができます。
パターンを三角形に分割する
身頃には様々な形状があるし、変形後の形状にも様々なものがあります。なので単純な計算式で座標変換することには無理があります。
そこで、身頃を小さなたくさんの三角形に分割して、全体の形状の変形と共に三角形を変形させます。
画像は小さな三角形を単位にして変形前と変形後で座標変換を行います。
こうすることで、任意の形状に合わせて画像を座標変換することが可能になります。
下の画像は、変形前と変形後の形を示しています。色付きの線が変形前のパターン。黒色の扇形の線が変形後の形状。
下の動画は身頃を三角形に分割して、変形させる様子です。
外形を徐々に変形後に変えて行き、それに合わせて三角形を変形させます。三角形の各辺2はバネの力が働くようになっていて、形状を正三角形に保つような働きをしています。
変形に合わせてそれぞれの三角形がおしくらまんじゅうをすることで、最適な形状に変わって行きます。
下の画像は変形前の画像と変形後の画像です。
こんな間に写真の画像をスカートのパターンに貼り付けることもできます。
三次元の身頃に画像を貼り付ける方法
洋裁CADでは三次元の描画はJava言語を使って記述しています。JavaFXを利用すると、三次元形状が比較的簡単に表示できます。
ポリゴンの表面に画像を貼り付ける方法は、下記リンクの通りです。
JavaFX MeshViewの扱いかた
MeshViewのTexCoordsの設定座標を書き換えれば、下の動画のように三次元のポリゴンにも画像を貼り付けることができます。
一般的な3Dモデルのポリゴンに画像を貼り付けるには、UV展開と言って三次元座標二次元座標変換する作業が必要になりますが、
アパレルの場合は、二次元の布を縫い合わせて三次元にするので、最初はポリゴンが二次元です。
なのでUV展開は不要、座標のスケール、平行移動、回転移動で身頃上に貼り付ける位置を決めます。
最終更新日: 2020-03-07 23:26:11